リコーダー製作家 星加清人がつくる
COLLECTIBLE PEARL用 標本スタンド
パールを飾る
COLLECTIBLE PEARLというパールを付け替えることの出来るジュエリーを考えた時、取り外したパールも折角美しいのに、ただ閉まっておくだけでは勿体ない気がしました。
取り外したパールを飾ることができれば、身につけるだけでなく、より美しさを感じてもらえるのではないか。
そう考え、パールを飾るためのスタンドを探しました。
しかし、鉱物を飾るための標本スタンドはあっても、小さなパールを飾るためのスタンドは見つからなかったため、今回の製作につながることになりました。
”パールを飾る”という、これまでに無い体験をすることで、いつまでも記憶に残るジュエリーになってほしいと思います。
試作あれこれ
どのようなスタンドが良いか、形や素材をいろいろと模索しました。
観賞用の鉱物とは違って、小さなサイズのパールは、観ることを考えた時にどのように飾るのが最適なのか。
モルタルを使用したり、珪藻土を使ったり、自作のゴム型でいくつかスタンドを試作をしてみました。
しかし、形を変えても、色を変えても、硬く無表情な質感は、どこかCOLLECTIBLE PEARLを飾るのには相応しくない気がして、一度ふり出しに戻す事に。
それからはパールと同様に自然な素材であることを第一に考えました。
硬度の近い、もしくは柔らかいものを考えると、木を使用することがベストと判断し、形ももっと高さを出したデザインに変更していきました。
そしてそれまでの経緯を社内で話をしたところ、代表の友人のリコーダー製作家・星加清人さんなら、理想とするスタンドを作ることが出来るのではないかと言う話となり、相談をしてみる事になりました。
リコーダー製作家 星加清人
さっそく連絡を取り現れた男性は、白髪で見るからに職人といった風貌をした方でした。
私たちが作りたいものを説明すると、それがフットピースと呼ばれるリコーダーのパーツと似ていたようで、普段作っているリコーダーやフルートの技法で、一度試しに作ってみましょうと、快く受けてもらえる事となりました。
工房に伺い、製作における技術的な説明を受けている中で分かったのは、星加さんは、20代の頃より職人の道を歩み始め、長きにわたってリコーダーやフルートの製作をされており、手掛けた作品は世界各国のプロフェッショナルに愛用されている。ということ。
実際に製作したリコーダーを見せてもらいましたが、そのひとつひとつの作品がどれも丁寧な手仕事で作られており、繊細で温かみがあり、演奏の出来ない私たちでも、その笛がいかに素晴らしいものか分かりました。
それからは、何度もやり取りをして、納得にいくものに少しずつ仕上げていきました。
木の材質の選定から、美しいフォルムにするための、0.数mmの細かい寸法まで、私たちの思い描く形と、星加さんのこれまでの経験による提案が合わさり、試作を重ねるごとにどんどん良いものになっていきました。
星加さんとの会話の中で特に印象に残っているのが、
「何度も試作したのは、リコーダーしかこれまで作ってこんかったし、正解が分からんかったから。リコーダーなら納得するところで製作を終えれるんやけどね。」「あ、でもぐい吞みは自分用に作ったことあるわ。」
という、制作家としてのこだわりが分かる言葉と、そのあと、すぐに恥ずかしそうに笑顔で告げる正直な人柄が伝わってくる言葉です。
スタンドは私たちと星加さんのちょうど良い感覚のところで出来上がっていったように思います。
バロック時代のリコーダーの図面。0.数mm単位のとても細かい仕様で作られていた事に驚いた。
とても大きな旋盤は、大型のリコーダー製作には欠かせない相棒。
完成した標本スタンドと、リコーダーのフットピース。
完成
スタンドは、２種類の木を使用して、色違いで製作してもらいました。
ひとつは白っぽい色味に、滑らかな木肌で上品さが漂う「楓」を使用したものと、もうひとつは非常に目がきめ細かく、硬く重厚感のある「ツゲ」を使用したもの。
どちらも緻密な美しい木材で、リコーダーなどの木管楽器に用いられているものです。
楓のスタンドはナチュラルな雰囲気がお好きな方に、ツゲのスタンドはシックでアンティークな雰囲気がお好きな方にお勧めです。
真ん中に立てたバーは取り外しが可能なので、COLLECTIBLE PEARL以外の物を飾ることも可能です。
正直ここまで素晴らしいスタンドが出来るとは、想像していませんでした。
COLLECTIBLE PEARLの為に、星加さんが思いを込めて作って下さった、本当に贅沢なスタンドです。
ぜひお気に入りのパールを飾って、パールを見て楽しんでください。
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制作風景を動画にまとめましたので、宜しければご覧ください。
※Youtubeの再生設定画面より、画質を1080pにしてご覧ください。
