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Treasured_Abalone_Pearls

 

 

ずっと心にあった、真珠を育む母貝―マザーオブパールと真珠との組み合わせ。
同じ真珠層でできたものであるがゆえに、重なりすぎてしまうのではないかと迷いながら、長いあいだ手を伸ばせずにいた素材。
それでも、ある瞬間ふと、その美しさをかたちにしてみたくなった。

 

光を宿す貝

マザーオブパール。
その名の通り、真珠を包み、育む「母なる貝」。
内側に広がる虹色の層は、光をやわらかく受けとめ、角度によって移ろいを見せる。

古くから装飾品や道具の素材として親しまれてきた天然の美。
sCenesではかつて、黒蝶貝のスタンドトレイを制作したこともある。
けれど、装飾やオブジェではなく「真珠のジュエリー」として、その美しさをどう生かせるのかを考えた。

使用する母貝の選定は、ジュエリーとしての耐久性や加工性に重きを置く。
厚みと強度を備え、真珠貝らしい深い表情を宿していること。
白蝶貝と黒蝶貝を選んだことは必然であった。

真珠を包み育てる“母”の存在と、その中から生まれる“子”のような真珠。
その関係性をひとつのジュエリーに宿すような気持ちで制作をはじめた。


かたちを探す時間

母貝の魅力を真珠と並べてどう表現できるのか。

同じ真珠層を持つふたつの素材。
真珠と違うのは、貝殻はより自由で、切り出し方ひとつで、表情が変わるということ。
小さく切り取って装飾にしても、模様を刻んで要素を加えることもでき、素材そのものが、遊び心を持っているように思った。

けれど、見つめているうちに気づいたことは、母貝の美しさには、真珠貝ならではの“きらめく面の広がり”があるということ。

部分的に使うのではなく、まずは母貝の存在感をそのまま生かしたい。
シンプルな表現を探す中で、最適と感じたのは「ブローチ」と言うかたちだった。


「揺れ」のなかに生まれた美しさ

デザインを考える過程で、思い描いたのは、光を受けて貝の中で真珠がきらめく情景。
「二枚貝」「ひと粒の真珠」「きらめき」。
その3つのイメージを軸に、試作を重ねた。

ある日、オフィスの隅で見た振り子時計の動きが、ヒントをくれた。
人の視線は“動くもの”を自然と追ってしまうといわれる。
その動きを取り入れることで、ブローチの中にきらめきを宿せるのではないか。

重なりのバランス、金属を見せない構造、重心をずらす位置――。
貝のプレートが左右に揺れ動き、そこに添えた真珠が光を受けてまたたく。

幾度も調整を繰り返した先に、真珠と母貝の繋がりを感じる、面白い"揺れ"を宿したブローチが生まれた。


胸もとで息づく輝き

マザーオブパールは、長く手を出せなかった素材だった。
今回ようやくかたちになったこのブローチは、sCenesにとって新しい試みのひとつ。

真珠だけでなく、その背景にある母貝にも光をあて、養殖真珠と言う素晴らしきカルチャーをもっと知ってもらいたい。

手に取ってくださる方が、その輝きの奥にある、母貝と真珠の関係性を感じてくださったら嬉しく思う。

母なる貝の包容力や、マザーオブパールに込められた「癒し」「円満」という願いを込めて。

 

 



 

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2025年11月1日(土)10時~販売開始

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