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私はsCenesを立ち上げてからも、それまでも、パールの卸売に携わってきました。
オークションに行ったり、同業の仲買人から気に入ったものだけを仕入れたりして、それをまたペアにしたり、半製品のネックレスに仕立てたりして、付加価値をつけて販売する。
とにかく品質にはこだわって、無理のない仕入れを心がけ、自分達のフィロソフィーに沿ったもの、身に着けた人の喜ぶ顔を想像できるものだけにフォーカスし、会社の色を作ってきたので、それはsCenesにおいても同じ想いです。

ただ、少し違うのはsCenesにおいては、超個人的な仕入れや、こだわりの視点を前面に出して商品展開をしている言うこと。

例えば、このボタン型のタヒチアンパールなんかは、市場にはまずほとんど出る物ではなく、 私たちがオークションや普段の仕入れの中でたくさんパールを見てきても、まず簡単に出てくる事はない超希少なパールで、このなんとも言えない個性の強いフォルムに惹かれて、仕入れに至ったものです。
ボタン型にも色々とあって、ファットボタンと呼ばれる丸に近い膨らんだドーム型のようなボタンはよく見ますが、ここまで薄いフラットな本物のボタンのような形状のものはほとんど見る事はありません。

これは恐らく海水パールにおいてアコヤの次に小さい黒蝶貝の特性であったり、丸い核の上に真珠層を巻いていく工程で出来にくい形なんだと思います。
基本的に海水養殖パールの場合は丸い核を入れて、いかに綺麗な丸い形のパールがたくさんできるかを目指しているわけですから、市場価値では1番高いものがラウンドで、その次にドロップ、ボタンと続きます。

しかしドロップやボタンでも、ティアードロップと呼ばれる綺麗な涙型の物のように、ほんとうに綺麗なフォルムを形成することは極稀ですし、このフラットなボタンなどはもっと希少な部類に入るのです。
かと言って、どちらが美しい形なのかと言われると、感性は人それぞれですが、大半の人はティアードロップを選ぶように思います。。。

この個人的な想いが少し強めなパール。
どんな人がときめいて、コレクションするのか。
気になって仕方がないひと粒なのです。