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Treasured_Abalone_Pearls

 

リコーダー製作家がつくる美しき造形と

野性味あふれる真珠貝の輝き

 

COLLECTIBLE PEARL用の標本スタンドでおなじみの、リコーダー製作家である星加さんのすばらしい手仕事を感じることのできる、新たなオブジェが仲間入りしました
今回の特集はスタンドトレイが出来上がるまでの経緯をご紹介します。

 

特別な展示用トレイが欲しい

展示会でのジュエリーのディスプレイ用として、個性的なトレイが欲しかったことが今回のスタンドトレイを作るきっかけとなりました。

COLLECTIBLE PEARL用として星加さんに製作いただいている標本スタンドのように、どこにも売っていない特別なもの。
どうせ作るならパール屋ならではで、sCenesらしい面白いものは何かないかなと、オフィスに飾ってあったアコヤ貝の成長標本をふと見た時に、頭の中でイメージが浮かびました。

akoyashell_specimen

 

デザインを考える

頭に浮かんだイメージは、真珠貝特有の干渉色が輝くスタンドトレイ。
真珠貝の貝殻がお皿になったスタンドトレイはありそうで無いし、貝自体が美しいのでオブジェとして飾るだけでも良さそうだと考えました。

アコヤ貝の貝殻を試しに星加さんの標本スタンドの上に乗せてみたものの、アコヤ貝では小さすぎることや、裏側を平らに削れるほどの厚みが無いことで、トレイとしては使うには難しいと判断することに。

そこで白蝶貝や黒蝶貝を合わせてみて、大きさのバランスが良い黒蝶貝の貝殻で試作をすることにしました。

さっそくデザインイメージを作成し、黒蝶貝を持って星加さんのもとへと出向きました。

Haliotis_fulgens左からアコヤ貝、黒蝶貝、白蝶貝。真珠貝特有の真珠層の干渉色が美しい。スタンドは標本用サンプル。

星加 清人を訪ねて

星加さんは長年活動していた工房を閉鎖し、今はご自宅で星加さんにしか出来ない特殊なリコーダー用のパーツの製作依頼などがある時だけ旋盤を動かし、趣味程度に好きなお酒用のぐい呑を作ったりもしているようです。
工房を閉めると聞いた時は、標本スタンド廃番の危機だとあたふたしましたが、ゆっくりなペースで良いのならと、これまで通り注文を受けてくださることとなりひと安心。

ともに震災を乗り越え修理しながらずっと使い続けてきた相棒の大きな旋盤は、自宅では大きすぎて使えないからと寂しそうにしながらも、大事なのは経験だよと新しい旋盤の使い心地には満足しているようでした。

用意したデザインイメージをもとに、星加さんの提案を加えながら意見をすり合わせ、標本スタンド同様にシンプルながら細かなディティールのスタンドを目指し何度か試作をしていただきました。

出来上がったスタンドは、COLLECTIBLE PEARL用のスタンドを逆さにしたようなデザイン。
随所にエッジを効かせながら、手仕事ならではの角から伸びる美しいカーブはとても素晴らしく、細かな溝のデティールも良い塩梅。
丁寧に木材と向き合って作られたことがひと目でわかる、大量生産品の挽物では出せない温もりのあるスタンドです。

    newsenban星加さんの新しい旋盤。自宅用としては大き目だけど、長さのあるリコーダーも作ることが出来るよう。

    hoshika切削で使う道具はデザインに合わせ刃を削り自作する。スタンド用に合わせてこしらえたスキュー。

    woodsリコーダー用の木材は風通しの良いところで乾燥させる。

    黒蝶貝の仕上げ

    スタンドに合わせる黒蝶貝の仕上げ方は、何パターンか試作を繰り返しました。
    真珠貝の貝殻を商品にする場合は、縁部分がもろいため、ボロボロと層が落ちたり手を傷つけることの無いよう、縁部分を丸く切り落とす処理をします。
    しかし、縁を落とした丸みのある形状の貝殻はどこか不自然で、スタンドと合わせた際に違和感を感じたため、もろい部分だけ取り除き、ある程度の滑らかさまで削る加工を施しました。

    裏側も真珠層を露出させるのではなく、自然な状態に近い方が木材と合わせた時に美しいと感じたため、表面の付着物やもろい部分を削り取る程度にとどめ、ひび割れの保護には不自然な光沢の出るニスではなく、非光沢のポリマーで表面を仕上げました。

    貝殻本来の自然に近い表情こそ、星加さんの甘美なスタンドとお互いを引き立て合うのだと思っています。

    shellsbackside左が最終仕様。真ん中は縁を丸く切り落としニスで仕上げたもの。殻皮層を削り取って真珠層を露出させた右側は綺麗だが、今回の使用目的には合わないと判断。

    handworkリューターを使用し縁のもろい部分を削り取り、自然な表情を残す程度に研磨する様子。貝の加工はsCenesで行っています。

    左が原貝で右が切削加工後。この後スタンドとの接着面を平たく削り、ポリマーを塗布する。

    完成

    今回のスタンドトレイは、スタンド部に2種類のカラーをご用意しました。
    木材は標本スタンドと同じ、リコーダーでも使われている「楓」を使用し、ノンオイルフィニッシュのナチュラルと、ダークブラウンの塗装にアマニ油で仕上げたものの2種類です。
    ※ツゲは保有していた材料が無くなってきたため、今回は使用していません。

    貝殻は大きさも干渉色の出方や裏面の表情も、ひとつひとつ個性が異なります。
    画像を見てご確認頂ければと思います。

    sCenesらしいプリミティブでユニークなスタンドトレイが誕生しました。
    すべて1点物、初回は4点のみとなります。

    2023年8月27日20時販売開始

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