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Color_Changing_Tahitian

 

さまざまな色を持つ

黒蝶パールの不思議

 

「黒蝶パールはどんな色?」
こんな質問をされたとき、頭に思い浮かぶ黒蝶パールはどんな色をしていますか?
きっとアコヤパールや白蝶ゴールデンパールなどに比べ、明確にイメージする色が無かったり、黒蝶と言う名称から、黒っぽい色をイメージしたり、あいまいな印象を持ったパールではないでしょうか。

今回の特集は、黒蝶貝が作り出す色のバリエーションの豊富さと、黒蝶パールを水の中に入れる事で起きる不思議な変化についてご紹介したいと思います。

これって何色?

私たちが商品ページにパールの色について記載する時、1番困ってしまうのが黒蝶パールです。

例えば、「グレーやシルバーでもなくて、どこかイエローぽさやレッドの色も持ってるし、これなんて表現したら良い色なんだろう?」という具合のパールが多く、文字では明確に何色と表現する事が難しくて困ってしまうのです。

では、なぜそのようなパールが多いのかと言うと、黒蝶パールを作る黒蝶貝は、三原色である赤・青・黄の色素を持つたんぱく質を作り出すため、他のパールに比べて複雑な色味を形成し、さまざまな色のパールが生まれてくるからなのです。

虹感や遊色がパールに現れにくい白蝶ゴールデンパールの母貝(黄蝶貝)と、黒蝶パールの母貝(黒蝶貝)を比べてみると、その構造色の違いがよく分かります。
貝自身が作り出すたんぱく質の違いにより、出来上がってくるパールの色のバリエーションが異なってくるのです。

左が黄蝶貝、右が黒蝶貝。

※黒蝶パールとは

黒蝶パールは黒蝶貝(学名: Pinctada margaritifera)と呼ばれる、おおよそ15cmほどの二枚貝から産出され、平均サイズ910mm程の大きさを持つ、タヒチアンパールと言う呼称でも親しまれているパールです。

主な生産地は、ポリネシアン・トライアングルと呼ばれる、北にハワイ、南東にイースター島、南西にニュージーランドを結ぶ三角形の真ん中辺りに位置する、118の島で構成されたタヒチ(正式名称フランス領ポリネシア)で、生産量は全体のうち約95%にもおよびます。

なかでもリキティアと呼ばれる、タヒチ島から南東の方角へ1,600㎞ほど離れたマンガレヴァ島の村にあるいくつかの養殖場で作られた黒蝶パールは、オークションなどでも高値で取引されています。

その理由は、タヒチの中でも水温が低い南東のエリアに位置するリキティアの黒蝶パールは、貝が真珠層をゆっくりと形成するため、きめが細かく、美しい光沢のパールを作り出すため、他のエリアに比べ特に上質なものが多いからです。
前回の特集でも記述した対馬の環境のように、リキティア村があるマンガレヴァ島には豊かな山があり、母貝が育つためのミネラルの豊富な水分が山から流れ込むのも大きな要因です。

File:Vue Rikitea 2006, (Wikipediaより引用)


同じ種類の貝から様々なバリエーションの色を作り出す。それこそが黒蝶パールならではの魅力のひとつで、見た事の無い個性的な色に出会うことが出来る、自分だけの色を手にする事が出来るパールとして、他のパールとはまた違った価値があるのではないでしょうか。

「黒蝶パールはどんな色?」
冒頭に聞いた質問に、私たち自身も答えを出せないことが黒蝶パールなのだと思います。

これらすべてが黒蝶パールが作り出す色の、ほんの一部に過ぎない。

 

黒蝶パールが起こす不思議な変化

不思議な現象に気づいたのは、ある黒蝶パールを製品に仕立てるべく片穴を開け、穴の中を洗浄する為に水が入った容器に入れた時でした。

赤色の黒蝶パールを容器に入れた瞬間に、水の中に入った赤色のパールが緑色へと変化したのです。

「あれ?この黒蝶こんな色だったっけ。」と思い、外に出すと、また赤色に戻る。

何とも不思議な現象でした。

これまでたくさんの黒蝶パールを見てきたのに、この現象に気づかなかったことに情けなくもなったのですが、この現象を知り、手持ちのありとあらゆる黒蝶パールを同じように、水の中に入れてみました。

すると、大体3通りくらいのパターンに分かれました。
①色がほぼ変わらないもの。
②少し変わるもの。
③大きく変わるもの。

私たちが保有している黒蝶の割合としては、262くらいのイメージでした。

通常パールは、表面に光が当たると、何層にも積み重なった真珠層の内部で光が反射する「多層膜干渉」という現象により、パールそれぞれに異なる色を放ちます。

おそらく水の中に入れた際に起きる色変化は、様々な色の層が重なり出来上がったパールに目立って現れる現象で、黒蝶パールのように複雑な色味を形成するパールに起こるのではないかと想定できます。

空気中で起こっていた光の波のぶつかり合いが、水の中に入れると、一部の光が吸収されたり、光の速度が変化したりすることで、光の波の干渉が変わり、地上で目に見えていた色だけでなく、中の層の色味が目に見えるようになり、起きる現象ではないでしょうか。

黒蝶パール以外に、天然色のアコヤパールや白蝶パールなども試してみましたが、他のパールに比べ、色味が複雑な黒蝶パールはこの現象が起きるものが多いことがわかりました。

ただ、色が変わらないから価値が低いのか、と言えばそういった事ではなく、複雑な色味を構成する黒蝶パールにおいて、単色でブルーやレッドのようにはっきりとした色のパールは、同じような色の層だけで出来上がったと考えると、それはそれで珍しく価値があり、決して悪いものでは無い。ということは、はっきりとここに明言しておきます。
この特集とは別に、そのような単色系の黒蝶パールの美しさもまた、ご紹介できればと考えています。

今回はこの不思議な現象を知っていただきたかったので、水の中に入れると色が面白く変化する上質で美しい黒蝶パールをご用意いたしました。
自分だけの特別なひと粒になり得る素敵なパールを、ぜひご覧ください。

※2022年2月27日 20時より販売開始

※水中のパールの色の変化に関する記述は、あくまでも推測です。より詳しい識者の方で、どこかおかしな点を見つけた場合は、ぜひご指摘いただければ幸いです。 

※この度の実験で使用している水はミネラルウォーターとなります。水道水は残留したカルキ(塩素)によりパールに軽度のダメージを与える可能性が有るため使用していません。

 

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